過剰な正義?

 西尾維新のライトノベルに、「化物語」シリーズというのがある。怪異を取り巻く世界観、独特の言葉遊びや会話、特徴的過ぎる登場人物が人気で、アニメ化もされている。
 特徴的過ぎる登場人物のひとりに、羽川翼という女子高生がいる。アニメの中では、かわいいメガネの委員長キャラだが、知らないことがないくらい知的で、正義感にあふれ、公明正大で、清廉潔白という性格。この度合いが、人並み外れているのが特徴的過ぎる所。こんな羽川を見てイライラし、つい手を挙げてしまった育ての親に、「女の子の顔を殴ってはダメなんだよ」と、冷静に説教してしまうというエピソード付きだ。
 正義をずうっと見せ付けられ続けるのは、自分のダメさ加減をずうっと見せ付けられ続けるのと同じで、やはり苦痛だろう。イラついて、つい手を挙げてしまう、育ての親の気持ちも理解できる。

 とはいえ、ここまでの清廉潔白さや正義感は、小説の中の話だろうと思っていたのだが、それに近い事が、現実に起こっていた。

 南関東限定かも知れないが、東北関東大震災の影響で、企業がテレビCMを自粛し、代わりにACジャパンによるCMが流れている。妊婦さんやお年寄りに思いやりを発揮しようとか、挨拶をしようとか、子供の世話をしようとか、優しい言葉で話しかけようとか、検診を受けようとか。こんな清廉潔白で正義感溢れるCMが、何度も何度も何度も何度も何度も何度も、そう1時間に10回も流れていたのだ。

 最初は、へえと思っていたが、だんだんうっとおしくなり、沈鬱な空気が漂うようになった。最近では、k-ogasa家みんなが目をそらすようになってしまった。あの時、寝たふりをして席を譲らなかったとか、機嫌が悪くてトゲのある言い方をしてしまったとか。自分のダメさ加減を見せ付けられ、それに耐えられなくなっているようだ。それどころか、k-ogasaにいたっては、本物の妊婦さんなら、あんな風にお腹の上の方に服のしわは寄らないと、逆ギレ気味にあら探しなんか始めちゃったりして、器の小ささを遺憾なく発揮している。

 少なくともk-ogasa家では、本来のCMの趣旨とは、逆の効果を発揮していることは間違いない。

スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

うちでは

こねこ・いち は、あしなが基金のCMにずいぶん怒っていました。
「父親なんかいなくったって、高校いけるわ!!」 通学途中の駅前で募金やってたそうで、「こっちをじ~~っとみてるんだよ。こっちだって、母子家庭だあ!私にくれよ!!」 はいはい、外見で人を判断してはいかんよ君。この震災で進学をあきらめざるを得なかった人だっているんだろうからね。
  しかしまあ、あのCMラッシュにはまいりましたね。 k-さんのおっしゃる通り、あまりに正しすぎる論理は憤りを伴いかねませんな。反論の余地がないところが余計にいらっっと  します。
 ふつうのCMが見られるくらい日常が戻ってきたことに感謝。 被災地はまだまだこれからなのでしょうが…。

hahanekoさんへ

hahanekoさん、こんにちは。

k-ogasa家も、イライラしなくても済む状況まで戻りました。
そうはいっても、瓦礫の山はまだまだ残っていますし、親戚の家ではお風呂が沸かせない状態ですし、復旧までは時間がかかりそうです。東北製品の購入で、支援することにしていますが。