幸せのパンデミック

 表題にあるパンデミックまではだいぶ遠回りをするが、最後には繋がるので、しばしお付き合いを願いたい。

 「めしばな刑事タチバナ」というテレビドラマが、興味深い。テレビ東京の深夜番組で、タイトルを見て刑事ドラマかと思いきや、刑事ドラマの体裁を取ったグルメ番組だ。

 取り上げる題材は、インスタントカレーやスナック菓子、牛丼チェーンなどなど、庶民の食品ばかり。そのウンチクを語り、ひと手間加える創意工夫や、食べるにいたるシチュエーションを含め、その食品を食べることがいかに幸せかの思い入れが、取調室を中心に容疑者や上司を交えて熱く語られる。低予算ドラマ感満載だが、身近な食品ばかりだし、その幸せな感覚が良く伝わってくる。だから面白いのだと思う。原作の漫画は読んだことはないが、きっと面白いだろう。

 さて話変わって、毎週のように行く東京都墨田区は錦糸町。錦糸町駅近くのイタリアンレストラン「ロッソ・ペペロンチーノ」でランチを食べた時のこと。お天気が良く、明るい店内は少しうるさいくらいの賑やかさ。一人だったし、ケータイもバッテリー切れでやる事もないので、辺りをゆっくりと見回すと、様々な年代の人が話に花を咲かせている。弾む会話と溢れる笑顔。左は、嫁いだ娘と久しぶりに会い、少しぎこちなさが残る父と母。前には、小さな子供をあやすお母さんと、その友人達の会話が弾む。右は、若いカップルが「他所でやれ!」と言いたくなるくらいにイチャついていた。ここには美味しさと楽しさに満ちた、幸せな笑顔が溢れていた。一人眺めているだけで、こちらも幸せな気持ちになってくる。

 この二つの出来事から改めて思うのは、お腹を満たすこと、それを分かち合う人がいることが、どんなに幸せかということである。そして、その幸せな感情は、人から人へ伝染していく。食べ物を分かち合い、幸せな時間と空間を分かち合う。身近にある幸せを感じ、それを人から人へ人移して行く。この記事から、幸せが大流行すればいいなと思う。やっと繋がった。

 最後は、今回気がついたこと。
 イタリアンレストランで、幸せな気持ちで周りを眺め、いつの間にか笑顔になっていた。と、こう書いてみて気がついたことがある。見ようによっては、50近いおっさんが、一人で寂しく辺りを見回しては、ニヤニヤと笑っていた、と見えなくもない。う~ん、気をつけようっと。
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